Shizuko's
Ceramic Class

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管理人の戯れ言

18.有名人の話 8 (金丸 信・政治家)
建設大臣、副総理と数々の重職を重ねてきた金丸信だが、最後には収賄の容疑で逮捕されてしまった。
その時の言葉にこんなのがあった。
「欲しいとも強要もしないのに、勝手にくれるんだから・・・・」
「自然に集まってくるのだからどうしようもない。」
集まってくるのは”お金”のことである。
建設大臣を経験すると、金回りが良くなるのが日本の政治だ。
東京地検の検事さんも、さぞや呆れたことだろう。

ところで、金丸信に会ったのは日本でサラリーマンをしていた時代である。
どちらから読んでも「おちみちお」越智代議士の後援会旅行に同行したときのことである。
「おちみちお」代議士は、大蔵官僚出身らしく物腰のおとなしい政治家であった。特別な印象はない。昨年、大蔵大臣を辞任するまで、忘れかけていた政治家でもある。
那須一泊旅行のこの後援会旅行は、400名から500名の団体でバスが10数台になった。私は生まれて初めてバスに添乗することになった。後年、もう一度だけ添乗する機会があったが、これは数少ない経験になった。
ホテルに到着すると、自民党の各お偉方も合流した。その中の一人が金丸信である。
後援会の団体は別館と第二別館に宿泊し、政治家は日帰りの方を除いて本館に宿泊した。

私は、伝言があったので宴会の時に挨拶をする予定の金丸氏を探していた。
レジャーランド(別館と第二別館の間に室内遊戯場がある。)の通路を秘書と一緒に宴会場に向かって歩いているのをみつけた。
背筋をまっすぐのばして、少しがに股で歩く姿がおかしい。
ワイシャツのボタンはつけているが、ネクタイの結び目が緩んでいる。
それだけではない。ワイシャツの袖の一方が長く背広の袖の中から出ていて、ボタンが外れているのである。なんともだらしない。秘書官には見えないのだろうかと不思議に思ったが、日々毎日のことで呆れ果てていたのかもしれない。
背広もワイシャツも着たことのない、田舎のお爺さんのようであった。
その時の印象は、何故社長はこんなダサいお爺さんに力を入れているのか不可思議だった。
勿論、竹下登との姻戚関係が政界に大きな影響力を持つ要因の一つではあるが。
伝言を伝えると、 「先生、皆さんお待ちです。」と足早に駆けつけた男に促され、宴会場へと立ち去った。たったわずか3、4分のことだった。

怪物と言われはじめたのは、これから数年後である。「政界のドン」と呼ばれ、永田町を君臨するのである。
副総理の頃は向かうところ敵なし。破竹のいきよいだった。
何かと言動が官僚からクレームがついたが、実行力においては勝っていた。 第一印象は悪かったが、なかなか面白い政治家のひとりである。
この怪物に果たして金欲があったのだろうか?無いとは言えないが、私には余り感じなかったのは何故だろう。
小物政治家はお金を強要し、大物政治家には金が飛んでくる。
多分、「自然に集まってきたお金」を気前よく、各議員にばら撒いたのだろう。なんの躊躇もなく。

私はと言えば「まったく集まらないお金」と「自然に消えていったわずかなお金」の行き先を未練たらしく思い巡らすのである。

2001年2月17日


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