Shizuko's
Ceramic Class

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管理人の戯れ言

20.博学ゴルファー
昨年、ある博学ゴルファーと一緒にプレイする機会があった。
Pゴルフクラブのトーナメントでのことでした。
このSゴルフ・コースは毎年一回ぐらいプレイするところである。
風がでると難しくなるが、相性の良いコースだ。

ハンディキャップは
博学のH氏 8
私 11
自己納得型のY氏 18
高齢のL氏 29

毎年のようにプレイの数が減っていながらの11のハンディキャップは「自分を誉めてあげたい。」気持ちで一杯です。
この博学ゴルファーのスイングはあまり誉めたものではないが、各ホール上がってみるとパーが多いのである。
まさにシングルなのです。
ゴルフについてウンチクをいいながら、プレイするのである。

4番ホール380ヤードパー4。
右に池、やや左手正面に木がある。
前のホールでバーディーをとって気分の良い博学のゴルファーは、ドライバーを躊躇なくつかんで、池と木の間の狭いフェアウエイをねらって打った。 その球はスライスして、池の周りに張り巡らされたフェンスに直撃した。 それでも博学のゴルファーは悠然と無言で構えていた。
それを見た私は 2アイアンで正面に200ヤードぐらい打った。ドライバーを使って右の池に入れることも、木の下にも打ちたくなかったからである。残り180ヤード4番アイアンで十分であった。
全員が打ち終わると博学のゴルファーが言った。
「この池には水がないので、フェンスを作ったんですよ。」
「ボールを取りにみんな入るので、フェンスを作ったと思います。」
「だからこのフェンスが邪魔でスイング出来ない時には、ノー・ペナルティーでリプレイスできるんです。」
「だからあまり池は気にする必要はないんですよ。」
ごもっとも。なんと未熟な私。昨年あった水も今はないのだ。フェンスの存在理由をもっと考えるべきであった。
このホール、博学のゴルファーはパー、私はセカンド・ショットをバンカーに入れボギーだった。

前半のスコアーは
博学のゴルファーが40。
私が41。
自己納得型が39。
高齢の人が52。

自己納得型のY氏が絶好調であった。
距離がでずパーオンしないのだが、ことごとくワンパットで沈めた。

後半は私が良くなってきて17番を終了時点で4オーバー。
博学のゴルファーは6オーバー。
自己納得型は8オーバー。
高齢の人は14オーバー。

18番449ヤードパー5
右ドッグレッグの短いパー5である。
2オンをねらってパーはもちろんバーディーをねらえるホールである。
オナーである私はドライバーでナイスショット。十分2オンがねらえる距離につけた。
調子が今一つのらない博学のゴルファーは、右の木の真下に打ってしまった。
カートに同乗していた私に 「先に行っていいですよ。」と言ってクラブを数本かかえてカートから降りた。
私は言われるままに自分のボールのある地点に向かった。
カートを運転しながら振返ると、木の真下で素振りをしていた。
木の枝が一、二本折れて落ちてきた。
もう一度素振りをした。
また小枝が落ちてきた。
そしてなんとか3オンするところまでに打ってきた。
枝を折ってしまった時の素振りは一打とみなされるので、2打のペナルティを科さなければならない。
この博学のゴルファーは、何度ペナルティーを自分に科すのだろうかと思いながら打った私の3ウッドのセカンド・ショットは、ダフりぎみに入り20ヤードもショートしてしまった。
それだけではなかった、サード・ショットもザックリをしてしまったのである。3パットのおまけつき。
4オン3パットの7。なんと未熟な私。
自己納得型は前半のようにはいかないので「しょうがない。しょうがない。でも最後はパーで上がれたので良しとしょう。」と言いながら自分を納得させていた。
高齢の人は「ボギーは上出来、上出来」とご満足の様子だった。
そして博学のゴルファーは 「これを入れるとパーか」と言いながらパットしたボールはかすかにホールのそばをすりぬけた。
「ボギー」
3オン3パットと言う事か・・・。

その日のスコアは
博学のゴルファーは前半40、後半43、グロス83、ネット75。
私が前半41、後半42、グロス83、ネット72。
自己納得型が前半39、後半44、グロス83、ネット65。
高齢の人が前半52、後半51、グロス103、ネット74。

自己納得型が前半の絶好調に支えられ優勝した。
私がAフライトでかろうじて10位、高齢の人もBフライトで入賞した。
博学のゴルファーは「2度の枝落とし隠蔽のワザ」もこうをろうさず入賞は果たせなかった。
しかし、大勢の人との賭けでは結構儲けているようであった。また、この日は不調であったが上位入賞、優勝が常である。
私は始めのころ馬券(賭け)を買わないかとか、賭けないかとかよく誘われたが、勝負事に弱い私は断り続けた。
真の勝負師は「他人に厳しく、自分に甘く」なくてはならないのだろうか。
見てはいけないものを見てしまった気分である。
ましてやその事を告げずに偽善者ぶった自分が堪らなく嫌だった。
後日のトーナメントでペナルティのプレイを見過ごした年配の人がいた。
私は以前と同じ思いはしたくなかったので、何の抵抗もなく「そのプレイは1ペナルティですよ」と言ってしまったが、やはり後味の悪い物である。
その年配の人は、18番が終わると表彰式にも残らずそそくさと帰ってしまった。
このことで私は、知ったかぶりをした自分が堪らなく嫌になってしまったのである。

そこへ娘が私の部屋に入ってきた。日めくりカレンダーの事で聞いてきた。
「あの漢字はなんと読むの?」
「どんな意味?」
私は娘の後に従って、子供たちの使うバスルームに入った。
そこにはこう書いてあった。

4

自己顕示
自己嫌悪
わたしの
こころの
うらおもて

みつを

2001年3月4日


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