Shizuko's
Ceramic Class

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管理人の戯れ言

25.有名人の話 10 番外編(著名な作家の息子)
日系新聞に連載中のSK氏の記事を、久しぶりに読んだ。
SK氏は著名な作家を父に持つ人で、信州にある美術館の館長である。
1980年代後半に、一度だけ友人の招待で夕食を共にしたことがある。
当時、SK氏は不遇のうちに生涯を終えた若い画家たちの美術館をウッドストックに建てる為にアメリカに来たと思うが、ただ暗い印象が残る人だった。
彼についてはあまり詳しくないが、母親に育てられたのか、父親とは成人するまで会ったこともなかったらしい。
著名な作家の父親との面会を題材に、文壇にデビューするのだが、その本も読んでいないし、その後の仕事ぶりはあまり分からない。
この日系新聞の連載を毎回読んでいれば分かるのだろうが、信州に美術館を建てたぐらいしか分からないのである。
また、ウッドストックに建てた美術館がどうなったのかも知らない。
この日系新聞の連載でときたま名前を見るだけである。

ところで、話を記事に戻そう。
この記事は作家のA氏とB氏の比較論である。
Aという作家は世間で評価が高いが、世渡りが上手いだけで、人に媚びて生きてきたように思え作品にもそれが見え隠れする。それにいきかえ、B氏の評判はA氏にくらべるとおちるが、B氏の人に媚びない生き方、できるだけ自分で生きてゆく姿が共感を覚える。そんな生き方が作風に出ていてB氏の作品を好む、という記事であった。
自分もB氏のような生き方をしているので共鳴できるらしい。

サン・フランシスコの日本町にある寿司屋で夕食を共にした時のことを思い出した。
我々の共通の知人のTさんと一緒に現れたKS氏はサンダルに黒一色のいでたちで、田舎で着るようなベストを着ていた。寝起きのような感じで、180cmぐらいの身長が小さく見えた。
会話を楽しむと言うより、寿司を黙々と食べていたのが印象的だった。 彼は食事が終わると夕食の礼を軽く言って、Tさんと日本町の夜の巷に消えていった。

後日、私の友人が言っていた。
「あの男は自分のことばかりでね・・・・」
「二三度食事をしたが、ご馳走になることしか考えてないみたいでね。」
「もう二度と付き合わないよ。」
「自分を有名人と思っているんじゃないのかな。」

私はこの記事を友人に見せたくなった。もう昔のKS氏ではないことを教えて上げたかった。この成長ぶりは、何とも頼もしい限りである。

私の友人は何というだろうか?
「10数年で,随分変わったね。素晴らしい。また会いたいよ。」
それとも
「同じ、同じ。人間はそう簡単に変わらないよ。」
だろうか。

自分も成長したいと願う私としては、この記事を信頼したいのだが・・・。

2001年4月7日


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