Shizuko's Ceramic Class

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管理人の戯れ言

48.世界一周図書館

先日、ニューヨークの見知らぬ人から「世界一周図書館」と名ずけられた、山崎豊子の「沈まぬ太陽」全5巻が"先生”宛に届いた。
このことは日本の友人から「いつか本が届くはず」という連絡で”先生”も承知していたことだった。
その友人と発信者(館長)との経緯はわからないが、私はこの「世界一周図書館」に心温まる思いがした。
ニューヨークの前は何処をどのように回って来たのか分からないが、この本が世界中をまわっているのである。
なんとも嬉しい話ではないか。
受け取った人の中には山崎豊子の本に興味がない人もいるに違いないが、発信者のこの本に対する熱い思い入れが感じられる。
この本を読んでいない私に、これ以上のことは言えないが、発信者は深い共感と感動を得たに違いない。
回っている間に帯がなくなっている本もあるが、第二巻の帯にはこう書いてある。
   
    家族との別離、果てしなき孤独を支えたアフリカの大地__。
    理不尽な”現代の流刑”に耐える主人公と家族の、宿命の転変。
第四巻の帯には
   
    政・官・財を巻き込んだ暗闇が繰り広げられていた・・・・。権謀術数に溺れる会社の
    魑魅魍魎、利権を貪る政治家と官僚。航空会社を蝕む腐敗の構造が、しだいに白日の下
    にさらされるが・・・・。
第五巻の帯には
    
    不屈の主人公の最後の闘い・・・・
    人間の真実を問う、緊迫の完結篇
発信者はこの本の背景となっているアフリカに領事として勤務経験がある。
ザンビアやニューヨークの日本総領事館に勤務後、現在は東京に勤務中だそうである。
各省から出向しているので、外務省の方とは分からないのであるが、前回の稿で外務省と外相の軋轢を 書いたばかりだったので、この浮世ばなれした「世界一周図書館」との違和感を感じざるを得なかった。

本当はこの本を読んでからこの稿を書くべきかもしれないが、どうしても「世界一周図書館」のことを紹介したかったのである。

こんな夢をもったお役人が日本の役所にいることを知って貰いたかった。
そして、この人こそ官庁の改革を誰よりも切望しているのではないだろうか。

ひとつの本が夢と希望をのせて世界中をまわる。

2月16日2002年


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