Shizuko's Ceramic Class

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管理人の戯れ言

97.大きい顔

   ”先生”がテレビを見ていると、よく出る言葉がある。
「気持ち悪いわね、この男。豚みたいね。顔の大きい人、大嫌い」 

 ”先生”は数年前の映画『The Lord of the Rings』シリーズを観てからオーランド・ブルーム に夢中になっている。
 昨夜は第三作目の特別版DVDを堪能したようだった。なんといっても、彼が登場すると人が 変わったように笑みがあふれ出すのである。
 少し前に「頭痛がするから薬を持ってきて」と眉間に皺を寄せて言った人とは思えないほどの 変わりようなのである。見始めたのが遅かったので、私は30分ぐらいで観るのを止めて 就寝したのだが、”先生”は一度映画館で見た3時間以上の大作を頭痛をおしてまで観たのである。 (映画が始まると頭痛も消えたようだが・・・)

 昔、日本にいた頃は『ジュリーー、ジュリーー』と叫んでいた”先生”だが、年老いた『ジュリー』 を見捨て、年の若い俳優にイカれ(失礼)ているである。
 思うところ”先生”の好みは『青白い顔に頬がこけた青年』なのかも知れない。だから”先生”は 私に聞こえるように「失敗した・・・失敗した・・・」とよく呟くのだろう。

 ところで、先日のゴールデン・グローブ賞でのオーランド・ブルームのスーツ姿には落胆した。 普通のサラリーマンが舞台に上がったような冴えないものだったからである。 私服でのインタビユーも以前見たことがあるが、スクリーンで見せるほど 『カッコいい』わけではない。観客を喜ばすには弓を抱えて登場するしかないないのではなかろうか。
 ”先生”にこんなことは言える訳がないのだが・・・

 テレビを見ているとオーランド・ブルームの新しい映画の予告編が流れていた。すると、 ”先生”が小刻みに小さく拍手をした。珠玉の笑みを浮かべていた。
 予告編が終わると、私の顔をマジマジと見ながら嘲笑して言った。
「貴方の顔って、本当に黒くて大きいわね・・・食べすぎじゃないの・・・」
  

1月26日2005年


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